2025年9月、東京では記録的な豪雨が降り、多くの被害が出ました。
都内のディーラーの中には、修理を引き受けられない店舗も多かったそうです。レッカーで運ばれてきた車を置く場所が足りず、かといってお客様の自宅にもレッカーで入れられるほどの駐車スペースがない…。そんな事情が重なり、本当に大変な状況だったようです。

「こんなとき、自分の車はどうすればいい?」
「水没したらどうなる?」
そうした疑問に答えるため、大雨・水没時に役立つ車の知識と備えをまとめました。近年は竜巻やゲリラ豪雨など、局地的な激しい雨も増えてきています。いざというとき慌てないように、ぜひチェックしてくださいね!
目次
なぜ大雨・冠水時が危ないか?車に起こること
まず最初に、なぜ大雨や冠水が危険なのか、車にどういうダメージが起こるのかを知っておきましょう。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| エンジンへの浸水 | エンジン内部に水が入ると、焼き付きや深刻な故障につながる |
| 電気系統のトラブル | センサーやECUなど電子機器が水に弱く、ショートや誤作動の原因に |
| ブレーキ性能の低下 | 車体が濡れるとブレーキの効きが悪くなることがある |
| 排気管やマフラーの詰まり | 水が逆流し、排気がうまく出なくなることもある |
| 車内浸水・内装の劣化 | 床下やシート内部に水が入ると、カビ・腐食・電装品故障のリスクが増す |
つまり、大雨や冠水は見た目よりも内部に大きなダメージを残します。“隠れたリスクに要注意”ということです。
社長スマホをうっかり水中に落としたら壊れるように、車もエンジンが水没したら壊れます。
① 大雨・冠水時の運転で気をつけたいこと
- 無理に進まない・急加速しない
水深が読みにくいときは進まないのが鉄則。水深30〜50cmであっても、ステップやマフラーが水没することがあります。 - 低速・一定速度で通過する
水が跳ね上がるとエンジン吸気口に水が入る可能性があるため、ゆっくり慎重に進みましょう。 - 後続車との距離を空ける
スプラッシュ(後ろに水しぶき)が後続車にダメージを与えることもあるので、できるだけ距離を保ちます。 - 水没エリアを避ける
見た目では浅く見えても、路面のへこみなどが隠れていることがあります。できる限り避けるルートを選びましょう。 - アクセルを軽く踏み続けて水が燃焼室へ逆流しないようにする
たとえば半クラッチ気味に保つ、一定回転数をキープするなどの工夫が役立つ場面があります。



当店の近くですと、直方市のカインズの交差点は大雨で水没します。
② 水没してしまったらどうすればいいか
もし水没してしまったとき、すぐに実行すべきことも把握しておきましょう。
- 車のスイッチ類はオフに!
エンジン停止、キーオフ。無理にエンジンを掛けようとするとショートや浸水ダメージが拡大します。 - バッテリーのマイナス端子を外す
電気系統の被害を抑えるため、可能ならバッテリーのマイナス(-)端子を外しておくと安心。 - ドアが開くなら外へ出る
ダメージが激しい場合は車両内部に閉じ込められるリスクがあるので、安全な場所に避難しましょう。 - できるだけ乾かす・点検を受ける
電気系統・エンジンオイル・フィルターなどの点検を整備工場で受けることが重要です。 - 保険やロードサービスに連絡
水没事故では保険対応の可否が重要になります。保険会社やロードサービスへの連絡はお早めに。


③ 日頃からできる備え
| 備え | 内容 |
|---|---|
| 車の防水性能確認 | ドア・シール部分、エンジンルームガスケットなどの点検 |
| 吸気口の位置把握 | 吸気口が低い車は冠水時リスク増 |
| 防水マットやビニールカバー | 車内浸水リスク低減 |
| 常備工具・牽引ロープ | 万が一動けなくなった際に備える |
まとめ
近年の各地の記録的豪雨を振り返ると、雨・水没リスクは他人事ではありません。
- 大雨の中の走行は常に「リスクと隣り合わせ」。
- 無理せず、安全な判断を。
- もし水没してしまったら、すぐにエンジン停止・バッテリーオフ・整備工場で点検を。
これらの知識を頭の片隅に入れておくだけでも、いざというときの行動が変わります。
安心できるカーライフのために、備えをしっかりしておきましょう!









